ジャンル
竹工品
工芸品名
たけかご

ライン

工房名・地域
竹細工 くぼ
(天草市)
氏名
くぼしげとし

ライン

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工芸家プロフィール

1953年
天草、本渡市本町中学校卒業後、父・貞由氏の手ほどきを受ける。
1984年
熊本県の伝統的工芸品指定を受ける。
1996年
天草文化協会から島の匠賞を受賞。
展示会用や注文品制作の傍ら、後継者の育成にあたる。

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インタビュー記事(2010年頃)

天草地方の竹工芸は今から約260年前、初代・窪地伸右衛門氏から始まり、名人として名を馳せた5代目・多吉氏によって天草一円にその技術が広まりました。
天草市本町の杉林に囲まれた山中に工房「竹細工 窪地」を構えるくぼしげとしさんは、その8代目。中学を卒業してから父に竹工芸の技術を学び、生活様式の変化に応じて作る物を変えながら技を継承してきました。
梅干しや漬け物作りに用いるショウケ(バラ)や穴釣り用の籠など、地元の生活に密着した竹籠が中心。まだ炊飯器が普及していないころ、ご飯が腐らないよう軒先に吊るして使われていた飯ショウケは、竹の殺菌作用もあって“夏のおひつ”と重宝されたものでした。蓋に使われているのは、 “網代(あじろ)編み”。竹の表皮を削った皮ひごで、均一に隙間なく編んでいきます。

原材料の真竹は年に1回、山をひと越えした竹やぶから10月?11月にかけて伐採。「切った竹は山の中に寝かせて、必要な分だけ使います。竹も時間が経つと枯れてしまうため、翌年の夏までには使い切ります」
最初に竹を十文字の4つ割りにしたあと、竹割りナタを使って次々と縦半分に分割。
一定の幅に揃えたら今度は薄く剥いでいきますが、新しい竹ほど水分を含んでいて剥ぎやすい。仕上げの縁巻きが一番の難所で、先の尖った溝切りの角度がわずかでもずれると、全てに影響してしまいます。
窪地さんのゴツゴツとした手には、この感覚がしっかりと刻まれています。完成品は青々としていますが、竹の表面を磨いたものだと、年数が経つにつれて黄金色の飴色へと変化します。最近では楕円形のパン籠や、均整のとれた買い物籠などが人気です。
窪地さんの住む集落では、かつて24戸が農業の片手間で竹工芸の技術を受け継いできましたが、現在は窪地さんだけになってしまいました。伝統工芸の世界では後継者不足に頭を抱える人が少なくない中、窪地さんの元では担い手が育ちつつあります。
「好きでないと出来ない仕事。技術を継承していけるのは、嬉しいことですね」

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