江上元 氏インタビュー記事(2010年頃)
池のほとりに
」絵描きを目指していた江上元(げん)さんですが、結婚を機に作陶の道へと転向。高田焼の窯で7年修行の後、2年間の資金集めを経て手に入れた場所です。 八代を代表する高田焼の特徴といえば、高麗(こうらい)青磁に白や黒の象嵌(ぞうがん)を施したものが知られていますが、土が生乾きのうちに文様を刻んで別の土を塗り込み、余分な部分を削り取るという一連の作業は一朝一夕で出来るものではありません。しかし「丁寧さを心がけてはいますが、象嵌自体は慣れれば出来ますよ。あとは個性や窯の性質次第」と笑います。印鑑を使った古典的な柄から手彫りまでオールマイティにこなす父に対し、息子の晋(しん)さんは配合の異なる土を巧みに使い分け、現代建築にもマッチする幾何学模様などの近代的な青磁象嵌に取り組んでいます。「建築雑誌からヒントを得ることが多いですね」と語る晋さんは大学では文系を専攻。卒業後、佐賀県有田町の佐賀県立窯業大学校で焼物の基礎を身につけました。日常使いの器づくりと並行して、公募展にも積極的に挑み続け、2019年には難関といわれる日本工芸会の正会員に。
使う土は、地元・