熊本い草てまりの会

【郷土玩具 : い草てまり】
熊本い草てまりの会

 

代表 山村 玲子(やまむら れいこ)
-上益城郡-

 

2011年 「第42回全国ごてんまりコンクール」上位3賞入賞
東北経済産業局長賞『「なでしこ」い草てまり 熊本県上益城郡益城町 山村玲子

い草てまり

一針ごとに気持ちを込めて、い草や草木染めの木綿糸で模様が縫い込まれたい草てまりたち。カラフルな色彩を引き締めるように入った涼しげなグリーンの編み目は、なんとい草そのもので出来ています。芯にもい草が入っているため、フワリと癒しの香りが漂います。
「編んであるい草を貼り付けているんでしょう?と聞かれますが、一針一針縫い付けているんですよ」と、代表の山村玲子さん。
もともとは草木染めの木綿糸を使った手まりを作る趣味の会でしたが、「自然素材を使った原料で作れないものかと探していたとき、“熊本特産のい草を使ってみては?”と思った」そうです。
い草は香りが良くリラックスでき、抗菌性や通気性もあって手まりにはもってこいの素材。
現在は、い草の刺し方のバリエーションも増え、会員ごとに新しい刺し方をお披露目しては、さらにデザインが増えています。工程は、カットしたい草を和紙でくるんで地巻き糸を巻き、芯となる土台作りから。これに模様の道標となる均等割りを糸で印し、選別して太さをそろえたい草を、針に通して縫い付けていきます。
「力加減が難しくて。引っ張りすぎると切れてしまうし、緩すぎてもいけない。狭いスペースの中で均等に感覚を取り、うまく調節しながら刺していきます」。
い草を縫い付けた端部分は、木綿糸の帯で目隠しします。
現在はストラップや観賞用など大小さまざまなてまりを作るほか、正月用にい草てまりを飾ったい草しめ飾りも毎年好評です。
「い草と聞くと畳のように平面的なイメージですが、会員の皆さんと力をあわせて、立体的なてまりとして表現出来たことは嬉しいですね」。
い草てまりを習ってみたいという人には、てまり歴40年以上のベテランをはじめとする会員の皆さんが一から丁寧に指導。お茶を飲みながら、会話に花を咲かせて和気あいあい。会員同士の交流の輪が、新しい創作意欲へと繋がっていきます。