匠の技と心 〜未来に繋ぐ熊本の工芸V〜(2021.2/23-4/11)

匠の技と心 〜未来に繋ぐ熊本の工芸V〜(2021.2/23-4/11)

匠の技と心 〜未来に繋ぐ熊本の工芸V〜

 

開催趣旨

 熊本には、地域に根差した生活や習慣、伝統を背景に連綿と伝えられてきた手工芸がたくさんあります。地域の自然素材を活用し、地域の人々の要望に応えてきたものづくりは、その土地らしさや愛着を生み出し、人々の心の拠り所としての地域社会をかたち作ってきました。また、工芸家は、継承されてきた技とともに、時代に合った新たな発想や技術を加えた工芸品を作り出すことで人々の生活を豊かにしてきました。
 今回は、長年に渡ってものづくりに邁進してきた工芸家の世界を、熊本県の伝統工芸アーカイブ・情報発信事業で撮影された制作映像とあわせてご紹介するシリーズの第 3 弾として、肥後まりの山隈政子氏(熊本市)、木工芸の戸田東蔭氏(熊本市)、彦一こまの井芹眞彦氏(八代郡氷川町)、来民うちわの栗川亮一氏(山鹿市)をご紹介いたします。映像が映し出す匠の技と展示の品々から、いま一度、手仕事のすばらしさを感じていただけたらと思います。

アーカイブ映像上映会

【定 員】定員各20名
【要予約】
 ご予約は熊本県伝統工芸館まで
 096-324-4930(開館日の9:30〜17:30受付) 

 

昨年それぞれの工房で撮影された制作風景(45分程度)を工芸家とともに鑑賞します。鑑賞後、簡単な交流会も予定しています。
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、内容の変更や中止をすることがあります。事前にHPなどでお確かめのうえご予約下さい。

 

日程

時間

2月28日
(日)

14時〜

肥後まり
山隈 政子 氏

3月7日
(日)

14時〜

木工芸

戸田 東蔭 氏

3月14日
(日)

14時〜

彦一こま

井芹 眞彦 氏

3月 21日
(日)

14時〜

来民うちわ

栗川 亮一 氏

会期

令和3年2月23日(火)〜4月11日(日)

主催

一般財団法人熊本県伝統工芸館

後 援

熊本県 熊本日日新聞社 NHK熊本放送局
熊本放送 テレビ熊本 熊本県民テレビ
熊本朝日放送 エフエム熊本 FM791

 

第62回熊本県民芸術文化祭参加事業

会場

熊本県伝統工芸館 2階企画・常設展示室

休館日

月曜日(祝日または休日の場合、翌日が休館日になります)

開館時間

午前9時30分〜午後5時30分

入 場 料

一般210円(140円) 大学生130円(100円)
高校生以下無料()内は20名以上の団体料金
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を提示で本人無料(介護のため同伴された方1名についても無料となる場合があります)

 

チラシ

匠の技と心 〜未来に繋ぐ熊本の工芸V〜チラシ_表 匠の技と心 〜未来に繋ぐ熊本の工芸V〜_表

クリックすると拡大画像(jpg)がひらきます。

 

山隈 政子(肥後まり)

山隈

 肥後まりは、昭和43年頃、熊本国際民藝館の初代館長である故・外村吉之介助氏が考案・大成した、素朴な色合いを持つまりです。芯にはもみ殻を使い、草木染の木綿糸を巻いて作った球体に刺繍を施して作ります。模様は13種に限られていますが、草木染の多彩な色合いと配色によって、印象の全く違うものができ上がります。
 山隈氏は、この伝統の技を50年以上に渡って継承してきました。昭和45年に肥後まりに出会い、手仕事が好きだったこともあり、育児期間が過ぎると肥後まり作りに没頭。平成6年に「肥後まり作りの講習会」(現・肥後まりの会)を立ち上げ、熊本国際民藝館を拠点に後継者の育成に努めてきました。平成28年には、第26回くまもと県民文化賞を受賞。速く美しい糸捌きと味わいのある配色は、今も他の追随を許さない熟練の技です。

 

戸田 東蔭(木工芸)

戸田

 戸田東蔭氏は、木工の指物を中心に、繊細な技術を要する象嵌や螺鈿などの装飾を施した美術工芸作品を生み出している工芸家です。幼少の頃から木工が得意で、12歳で彫刻家の田島亀彦氏に師事、13歳で熊日総合美術展彫刻の部に入選します。その後、熊本県工業試験場で4年間木工芸を学び、デザイン会社勤務を経て、21歳で独立します。戸田氏は、木工芸家として木と向き合い技術を高めることはもちろん、書画や茶道、音楽鑑賞など多彩な芸術世界に身を置くことで創作者としての感性を磨いてきたといいます。木の持つ本来の美しさを一層引き立てる氏の確固たる美意識と卓越した技術は、数々の展覧会や講座の開催を通して、熊本の木工芸界を力強く牽引しています。

 

井芹 眞彦(彦一こま)

井芹

 彦一こまは、九州の民話「彦一とんち話」に登場するいたずらタヌキをモチーフにした郷土玩具です。昭和22年頃、趣味としてコマ作りをしていた井芹勉氏が考案、制作を始めました。一見可愛らしいタヌキの置物に見えますが、上から笠・頭・胴体・尻尾・土台・尻尾の5つに分解でき、尻尾を軸に4つのコマとして楽しむことができます。
 井芹眞彦氏は勉氏の長男で、彦一こまの2代目です。34歳まで会社勤めでしたが、自分が継がなければ途絶えてしまう現実に、昭和52年に帰熊し2代目を継ぎました。木材からのパーツ作り、色塗りまで全てが手作業。ロクロを使いこなすだけでも10年はかかったといいます。父から受け継いだ彦一こま。その胴体にある“肥後彦一”の墨文字は、印刷機のプレートに遺った亡き父の文字が今でも使われています。

 

栗川 亮一(来民うちわ)

栗川

 来民うちわは、約400年前から県北の山鹿市鹿本町来民で作られてきたうちわで、四国丸亀の旅僧が一宿のお礼にその製法を授けたことが始まりとされています。また、山鹿周辺にはうちわの原材料となる楮や真竹が豊富で、当時の熊本藩主細川忠利公もうちわ作りを奨励したことから、この地で盛んになりました。最盛期には15軒ほどあった来民のうちわ屋も、今では1889(明治22)年創業の栗川商店ただ一軒となっています。
 栗川亮一氏はその四代目店主で、大学卒業後に入社、制作を始めます。当時、プラスチックに洋紙貼りのうちわが多く作られるなか、栗川氏は竹の骨に和紙を貼り、柿渋を塗って仕上げる伝統の渋うちわを中心に、現代に合う形やデザインを取り入れ、贈り物や記念品として提案するなど創意工夫を重ねてきました。現在、長年愛用できる粋なうちわとして全国的に高い人気があります。

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