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刃物
樺山五昭 樺山明-球磨郡あさぎり町-

樺山 五昭(写真右)
1930年生まれ。明治37年創業、樺山鍛冶工場2代目として1978年より鍛冶業に専念。

樺山 明(写真左)
1968年生まれ。工学院大学専門学校建築科研究科卒。樺山鍛冶工場3代目。
2000年リブラ工房開設。
2002年渡伊し、鍛造マエストロ、セランティ・ルチアーノ氏のもとで鍛鉄造形の基礎を学ぶ。(イタリア・オルヴィエト)

あさぎり町にある、樺山鍛冶工場を訪ねた。小さな町の一角に工場と自宅が並んでいる。工場には、父五昭さんが使っている横座と言われる地面を掘ってそこに体を入れて刃物を作る場所と、イタリア留学の経験から西洋のやり方を取り入れている明さんの腰高の金敷(アンビル)とが置かれていた。刃物の作り方を明さんが丁寧に教えてくれた。

現在手掛けているのは、包丁、鎌(かま)、斧(おの)、よき、鋏(はさみ)、鍬(くわ)、鉈(なた)、錧(くさび) など多岐に及ぶ。
人吉・球磨刃物の中では特に球磨鎌で知られる造林鎌が有名で、この地方は山林業が盛んであり、斧、鉈、造林鎌等は主要生産品。現在は、山林用道具の需要が少なくなり、包丁等の刃物を中心に、レジャー用のナイフなども作られている。工房の前には大きな山林用具などが並んでいた。

 熱しては叩き、熱しては叩き、鉄の間に鋼を入れ込みまた叩く。途中ベルトハンマーを使う部分もあるが、割込鍛造などの細かい仕事はおおかたが手作業だ。力もさることながら、夏の暑い日には頭がクラクラするほどのきつい仕事だ。

「フルオーダーで注文を受けて作るスタイル。冬はいいが、夏はウナギのかば焼きんごつなるよ。二坪あればできる仕事。金敷、ハンマー、はさみさえあれば鍛冶はできる。」
とは、父 五昭さん。

 鍛冶屋が一人前になるのには8年かかると話す五昭さん、息子明さんも10年を越えた。刃物づくりとともに、鍛造や鉄細工作品も制作している。現代の生活空間に併せた作品作りに励んでいる。


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金敷(アンビル)

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 地鉄に鋼を入れるため、割タガネで割れ目(溝)を入れているところ

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硬すぎず柔らかすぎずちょうど良いものにするために焼き入れした物を軽く熱を加え、焼き戻しする。水をかけて水の玉が走る温度にして空冷する。

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自宅横の作業場。