kanda.jpg【肥後象がん】
坂元 明子(旧姓:神田)-熊本市-

1977年熊本市生まれ。2002年熊本県伝統工芸館主催の伝統工芸養成講座を受講。2004年くらしの工芸展審査員奨励賞受賞。2006年肥後象がん振興会入会。プロの肥後象がん師となる。


 アパートの階段を上った先の一室が、若手女性肥後象がん師 神田明子さんの自宅兼工房だ。自宅にお邪魔すると、台所に置かれた食器やタンスなどの家具、小物に及ぶまで神田さんのセンスが光る素敵な場所だ。なんだか落ち着いてしまって長居してしまう雰囲気があふれている。

 スラリと伸びた手から作り出される神田さんの作品は、繊細で女性らしいモチーフが特徴だ。神田さんはもともと一般の会社へ就職、パソコンに向かう日々を送っていたが、何かモノづくりに携わりたいと思い心機一転。  2002年、当時募集していた熊本県伝統工芸館主催の伝統工芸養成講座の受講生として肥後象がんを学び始めた。2006年には、講座から初めてのプロになった4名のうちの一人である。

 「同年代の人にぜひ、使ってほしいですね。同時に、江戸時代や明治など古い肥後象がんにも興味があります。今見ても斬新で美しい。基本を大切にしていきたいですね。」

 そんな話をうかがっていると、神田さんの部屋の入り口でかすかな音がした。音の正体は神田さんが可愛がっている猫だ。部屋のなかをするすると通り抜ける猫を横目に、神田さんの作品に猫のモチーフが多いのも、納得。猫も気ままな共同生活を楽しんでいるようだった。

 最近では、博多織のコサージュやバッグなどに肥後象がんを併せて伝統的工芸品どうしのコラボレーションを図ったり、ハイヒールのヒール部分に象がんを施すなど、新しいアイデアや取り組みにも積極的で、若い感性が光る作品に挑戦中だ。

 「50年後も100年後も使える肥後象がんを作っていきたいと思っています。」

 こう語る神田さんの胸には、花のモチーフのペンダントがキラキラと輝いていた。

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ヤニ台に固定した鉄の生地や、布目を切るときのタガネなど。

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製作中の蓋物。細かい唐草模様が特徴。

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模様が入りやすいように、金線に癖をつけて置いていく。

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女性らしい繊細な模様が入ったアクセサリー【※作家さん所有の作品です】