IMG_3002.JPG小代焼
中平(なかでら)窯 
西川 講生(こうせい)-荒尾市-
1951年熊本県荒尾市生まれ。1973年から一勝地焼の成田勝人氏に師事した後、ふもと窯で10年間修行。1990年に中平窯を開く


 相良藩の御用窯だった一勝地焼(いっしょうちやき)の成田勝人(かつと)さんのもとで焼物を学び始めた西川講生さん。その後、小代焼のふもと窯でさらに腕を磨き、原料の土にも恵まれた今の場所に「中平窯」を構えた。

 「私は作家や先生ではなく、ただの“茶碗屋”です。使って楽しんでもらえれば、それでいいんですよ」と優しく笑う。裏庭から土を掘っては粘土を作り、薪を割っては燃料作り。「ほぼ自給自足なので、力仕事が大半です(笑)。」

 小代の土は鉄分が多いため、釉薬として調合使用して独特の色合いを出している。西川さんが作る小代焼は昔ながらの青小代、白小代、黄小代が基本だが、いずれも同じワラ灰をベースにしつつ、調合や焚き方で色が変わる。白掛けが流れ落ちるような小代焼独特の模様は打ち掛け流し、杓(しゃく)がけ、様々な技法があり、作品の大きさなどによって使い分けている。

 「同じ仕事の繰り返しのようで1回ごとに違います。毎回挑戦だし、最近やっと自分の仕事が少しできるようになった気がします」と、あくまで謙虚だ。

 作る器ごとに粘土を作っているのも、西川さんならではのこだわり。「口があたるカップの場合、土の段階で砂を濾(こ)して取り分け、キメの細かな粘土を作りますし、花瓶などの場合は表面に味を出したいので、砂をわざと加えて粗めにしたり。粘土作りには3カ月近くかかりますが、その過程で“次は何を作ろうか”と考えることも楽しいんです。」

 毎年1年生の気持ちでいろんなことに挑戦しているという西川さん。“失敗こそ次のヒントになる”と、前向きに精進を重ねている。

 「器は、少し物足りないくらいで丁度いいと思うんです。使い手の皆さんが食器に料理を盛りつけたり、花瓶に花を生けたときに完成するものだから。“これで一杯やったらウマいだろう”なんて、使う場面を想像しながら作っています。」

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裏庭から掘った土を乾燥させた後、水の中で沈殿させる。上澄みを取りながら粘土の塊にしていく

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小岱山の松と古い家を解体したときの梁を小さく割って燃料に使う

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3袋の登り窯。煉瓦1枚分の隙間から薪をくべながら、1300℃で2日がかりで焚いていく

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柄杓でかけて描いた白い釉薬がリズミカルに皿を彩る白流描八角皿【※作家さん所有の作品です】