main_2288.JPG

小代焼(しょうだいやき)
しろ平窯(しろへいがま)
城島 伸明(じょうしま のぶあき)-荒尾市-
1957年生まれ。
有田窯業試験場へ入所し、のちに人間国宝となった陶芸家・井上萬二氏のもとで陶磁器の基礎を学ぶ。1998年国民文化祭おおいた「野外陶芸展」入選、荒尾総合美術展入選、九州山口陶磁展入選など

 昭和21年、「しろ平窯」初代城島平次郎さんは400年以上の歴史を持ちながら一度途絶えた小代焼を再興しようと、研究所として窯を開いた。

「曾祖父は佐賀県の有田町で陶芸を営む城島家の出身でしたが、縁あって小代焼の復興へ取り組むことに。遠縁にあたる有田焼の大家、十二代・酒井田柿右衛門さんをはじめとする有志と共に、土探しから始めました。」

とは、「しろ平窯」の3代目を継ぐ城島伸明さん。

 小岱焼は荒尾・南関地区におよぶ小岱山の土を使うのが特徴で、土は鉄分が高くて粘り気をもつ。この土を粘土にして成形して釉薬(ゆうやく)を掛け流すのだが、しろ平窯では餅ワラを灰にして水に漬け、長石(ちょうせき)などを調合した数種類の釉薬を用いる。材料や配合は初代からの秘伝で、これらを素地に掛け流して焼いていくと、色の重なり具合が模様となって自然な風合いを生み出す。

「釉薬(ゆうやく)の濃度の加減や焼き方一つで色合いは変わります。使っていくうちに色に渋みが加わりますので、器も生きているんだなあと感じます。」

IMG_2278.JPG

先代から受け継ぐ手作りの窯。半年近くかけて作品を作り貯め、2000個近くを一度に焼いていく

temoto_2294.JPG

ロクロは、指の力を加減しながら器の形状やデザインを決めていく。厚みや大きさを均等に作るのが難しい

dougu_2282.JPG

ヘラ、底の深い器の成形に使う棒などを使い分ける

sakuhin_2302.JPG

曾祖父・城島平次郎さんの大皿。深みのある褐色の地釉と灰白色の釉薬によるコントラストが力強くも美しい【※作家さん所有の作品です】

 城島さんは高校を卒業後、当時の有田窯業試験場に入所。人間国宝・井上萬二氏のもとで陶磁器のいろはを学んだ。現在はロクロを使い、食器などの日用品をおもに手がけている。

 ロクロはまず、粘土を中心に向かってならして、粘りを出すところから始まる。親指で中心にくぼみを作りながら片手を添えると、みるみる器のカタチが出来ていく。最後は鹿の皮で口を整えれば、成形の完成だ。一見すると簡単そうだが、実際にやってみると思い通りには進まない。少し気が散ると変形してしまうので、集中力も求められる。

 「一説によると、小代焼は加藤清正の御用窯として小岱山麓で茶陶器を焼いたのが始まりといわれますので、茶器なども作っていきたいですね。お客様の好みを考えながら、いろんなカタチを作っていく過程は楽しいものですよ。」

 お店の奥には、初代と先代の大きな壺が並ぶ。父英一郎さんは初代の技法を受け継ぎ、時代の変遷の中でもひたすら先人の焼き物にかける情熱を心として研鑽に励んできた人だ。

「3代目として生まれてきたのは運命。父や曾祖父の作品から多くのことを学びながら、時代に合った『用と美』の芸術性を求めて精進していきます。」