main_t4897.JPG【陶磁器】
竜山窯
五嶋 竜也-山鹿市-
1980年熊本県生まれ。佐賀県立有田窯業大学校卒業後、帰郷して作陶を始める。2005年の西日本陶芸展入選以降、熊本県美術協会展協会賞、日本伝統工芸展入選、くらしの工芸展熊本県賞、西部伝統工芸展4回連続入選・入賞など、例年公募展での入選・入賞歴を重ねる

 「僕らしさを確立するのは、もう少し先でもいいと思うんです。」

 白磁というシンプルな素材を様々なデザインに変化させ、見る者の心をとらえてきた陶芸家・五嶋竜也さん。佐賀県の有田窯業大学校で磁器を学び、卒業後は父・竜山さんが構える『竜山窯』へ。しかし、当初から父の作風に追随することなく、己の道を追い求めてきた。

「いつかは自分の道を歩むのなら、最初からやりたいことにどんどん挑戦してみようと。」

 正面からだと丸いが底の高台が四角いものや、真上から見ると器の厚みを三日月型にしたものなど、“小ワザ”がピリリと効いている。

 粘土も釉薬も「せっかく熊本に生まれたのだから」と、天草で採れる天草陶石がベース。デザイン画を起こさず、ろくろを回しながらカタチを決めていく。瞬間で生まれるひらめきを大切にしているが、ひとりよがりにならないようにと心がけている。

「以前作った器をまた欲しいと言われて、困ることもあるんです」と苦笑い。湯のみを湯のみとしてではなく、使い手が自分で用途を考えてくれる。そんな“自由な器”選びを提案したいという。

 磁器に取り組み始めて、ようやく10年。デザインが織りなす陰影や、材料の配合による質感など、色の原点ともいえる“白”をどう表現するかを追求してきた竜也さん。最近取り組んでいるのは、表面に白砂を吹き付けたような手触りがおもしろい器。釉薬の中に、焼成しても溶けないある成分を混ぜているのがポイントだ。太陽に当たるとキラキラと光をまとい、器の内側に色づくライトブルーの釉薬とのコントラストが美しい。まだまだ尽きることのない、白磁への挑戦。今後は、これまでの集大成となるものを作ってみたいと語ってくれた。


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削りに使うカンナと削りカスを払うブラシ

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焼成前の生成り(中央)から素焼きするとピンク(左)へ、釉薬をかけると白へと変化

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高台が四角だったり口が三日月になっていたりと、さりげないディテールにセンスが光る。花瓶に良い手前の磁器は、釉薬の調合による粒子状の質感がおもしろい【※作家さん所有の作品です】