DSC_0517.JPG【玩具】
おばけの金太
厚賀 新八郎-熊本市-
1943年熊本市生まれ。
1963年 父、新氏のもとに人形師となる。
1978年 熊本県ふるさと顕彰受賞
1979年 熊本県伝統的工芸品指定
1999年―2009年 熊本工芸産業振興協会理事
2002年―2007年 熊本県伝統工芸協会理事
2010年 一般社団法人くまもと工芸会館理事
2010年 伝統的工芸品産業功労者褒賞受賞

熊本を代表する郷土玩具、「おばけの金太」。加藤清正に仕えた足軽がモデルと言われ、真っ赤な顔に黒い烏帽子姿、紐を引くと竹バネのからくりで舌を出し、目がひっくりかえっておどけた表情を見せる。子供たちにも大人気。
 現在、このおばけの金太を唯一製作しているのが、人形師の厚賀新八郎さんだ。厚賀さんは、京都から熊本に移り住んだ人形師、西陣屋新左衛門以来、250年続く人形師の10代目である。「おばけの金太」は5代目の彦七が発案し、その技が現代に続いている。

 厚賀さんの工房は、小高い住宅地の中にある。
「ほらほら、ここからお城が見えるんだよ。」と厚賀さんが指さす遠くに、熊本城天守閣が見えた。毎日、熊本城を眺めながら、ゆかりのある「おばけの金太」を作り続けている。

自宅の一室の8畳ほどの仕事場には、赤い顔をした製作中の金太がずらりと並ぶ。
自宅玄関には、毎年製作しつづけている、からくりを使った干支の人形。お餅をつく卯(兎)や、母亥(猪)のお腹の下から顔を出すうり坊など、ユーモアと洒落の利いたからくりが毎年生み出される。毎年揃えて楽しみにしているお客様も多い。

「どうしておばけの金太の顔は赤いのか?」、素朴な疑問を厚賀さんに投げかけてみた。熊本城築城の際に、足軽の金太がお酒を呑んで赤ら顔でよっぱらい、みんなを笑わせていたという説が一般的だが、厚賀さんは研究熱心。

「節句旗などには、金太郎なんかの絵が良く描かれている。その金太郎の体と顔を見てごらん、真っ赤だろう。」
見せてくれた資料には、確かに真っ赤な体の金太郎。金太郎が描かれた節句旗には、男子の健康な成長が願われ、描かれている。当時は、天然痘などの病よけや魔よけの意味で真っ赤に色づけされたのだ。
「酒呑童子や天狗の話なんかも興味深いんだよ。これも関係があるかもしれない。それから、チベットでは建物の門に朱を塗り、病除けにしたものが、日本の神社などの柱を朱く塗るルーツとなっている。チベットでは、挨拶すると舌を出す文化もある。何か金太と関係あるかもしれないね」と、興味深いお話を聞かせてくれた。

それ以外にも、人形作り教室をひらくなど子供から大人まで、からくりの仕組みや郷土玩具の楽しさを広く伝えている。



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▼作品

(紐をひくと舌を出して目がくるり)
【※作家さん所有の作品です】

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▼作品

(玄関にならぶ干支の数々)

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▼作品

(作業場にならぶ製作中の金太)