main_1797.JPG【玩具】
肥後まりの会
山隈 政子-熊本市-
1933(昭和8)年熊本県生まれ。手仕事が好きで、友人に誘われて肥後まりに触れたことをきっかけにこの道へ。以来約40年の間、教室や作品展などを通じて、肥後まりを伝承。熊本国際民藝館会員



肥後まりの会代表の山隈政子さんは、肥後まりを作り続けてなんと40年以上。体験教室で教えたり、作品展に向けた製作などでほぼ毎日、まりを作り続けている。作品は、観賞用のほかにも大きさをアレンジして携帯ストラップやイヤリングなど、さまざま。

 「昭和40年頃、家の近所に熊本国際民藝館が出来たので友人に誘われて遊びに出かけたんです。友人は自分で作った南蛮てまりを持参したのですが、当時の初代館長・外村吉之介(とのむらきちのすけ)さんがこれを応用して“肥後まり”として完成。私ももともと編み物などの手仕事が好きでしたから、徐々にのめり込んでいきました。」

 光沢のあるリリアン糸で作る華美な南蛮まりとは異なり、肥後まりは木綿糸の素朴な風合いが特徴。肥後まりには「麻の葉」「椿」「三角づくし」といった13種類の模様が決められているが、配色で印象は大きく変わる。使う色は平均4色程度だが、そうとは思えないほど鮮やか。手に取っていろんな角度から眺めるだけで、楽しい気分になってくる。

 「てまりは、城下町では武家の奥方たちの教養の一つとして伝わったそうで、江戸中期になって一般庶民の玩具として全国各地で作られ始められたようです。」

工程としては、
1)芯になるもみ殻を紙で包み、地糸を紙が見えなくなるまで巻き付ける。
2)そこへ模様の区割りを計って基本線をひき、マチ針を打っていく。
3)その基本線をもとに、柄ごとに掛糸の色を替えてかがれば、完成だ。

 「色の組み合わせ次第で、いろんな肥後まりが出来るので完成するまで楽しみで。想像していた以上に良く出来たときは、うれしいですね」。肥後まりをたくさんの人に教えてきたそうだが「皆さん、最初は明るくて鮮やかな色を好まれますが、長く続けると落ち着いた色へと変化していくんですよ。」

 現在は1年おきに会の仲間たちとともに作品展を開いている。

「この手仕事のおかげか視力はあまり衰えません(笑)。これから先、1年でも長く続けられたらいいですね。」


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糸切りばさみ、マチ針、木綿糸。糸は、白綿を草木染めなどで色づけして使う

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基本線を決め、マチ針を打って掛糸をかけていく

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もみ殻を紙で包み(奥)、模様の区割りを計り(中央)、掛糸をかけていく(手前)

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伝統的な模様は13種類。同じ模様でも、色の配色で印象は異なる
【※作家さん所有の作品です】