main.JPG【ガラス】
假屋園 宏道(かりやぞの ひろみち)-玉名郡和水町-
1975年鹿児島市生まれ。1998~2000年はガラス工芸家宮城島氏のアシスタントとして、2006年までは静岡市のリサイクルガラス工房に勤務。2006年金沢わん・One・大賞2006「人・器・出会い」展入選、全国で個展やグループ展を開催。2008年3月、肥後民家村(玉名郡和水町)にガラス工房カリヒロを開く。工房では体験教室も開催している。

 色、模様、素材感、そして光に透かしたときに映し出されるシルエットの美しさ。ガラス作家・假屋園宏道さんの工房に並ぶカップや皿、アクセサリーを眺めていると、ガラスという素材は作り手によって、これだけ無限の可能性を秘めたものかと感心させられる。古民家や資料館を一同に集めた肥後民家村の中に、假屋園さんの「ガラス工房 カリヒロ」はある。

滋賀県のガラス工房でガラス作りを見て以来、「違う仕事に就いてもガラスのことが頭から離れなかった」という假屋園さん。全国のガラス工房を訪ね歩き、23歳でこの道へ。静岡で8年間、ガラス細工の仕事に携わり、2008年に熊本で工房を開いた。 

 観光客が多く訪れる場所柄、集中力を要する吹きガラスの作業を行うのは早朝または夕方から夜にかけて。ほかにも溶かしたガラスを何色か重ねてカットし、パズル状に組み合わせるキルンワークや、砂を高圧でガラスに吹き付けて絵柄を描くサンドブラストなど扱う技法は幅広い。なかにはガラスで猫のイラストや文字を描いて溶かし付けた皿などもあって、遊びゴコロたっぷりのアートとしても楽しめる。

 「さまざまな技術を使うので、作るほうも飽きずに続けられるんですよ。」

 さらに、これらの技術を組み合わせるのが、假屋園さんの持ち味だ。たとえば、吹きガラスにキルンワークで作ったパーツを貼付けたカップは、透き通ったグラスの中をポップな数字やマークがフワフワと浮かんでいるように見える。ほかにもワイングラスや皿、アクセサリー、ランプなど。どれも、一期一会の作品ばかり。

 「まだまだ作ってみたいものはたくさんあって、アイデアに行き詰まったり、大変だと感じたことはないですね。自然の中を歩いたり映画を観たりと、生活の中から創作のヒントを得ています。」

今後は陶器や鉄などの技術を学んで、ガラス作品の幅を広げたいと語ってくれた。静かな口調に秘められた、大いなる可能性。ガラスを使ってどんなサプライズを見せてくれるのか、期待したい。

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(下から)管から息を入れてガラスを膨らませるパッファー、取手付けやガラスをカットするときに使う垂れ切りバサミ、高温のガラスを回転させながら口を広げていくジャック


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キルンワークの技法で作ったパーツはワイングラスの土台や箸置き、ペンダントトップに変身。サンドブラストで数字を削り出したパーツは、吹きガラスのアクセントに

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銅のクロスを貼付けたバラ色のカップ、調合したガラス粉を透明ガラスに付けてピンセットで渦巻き状にねじったカップなど。一つひとつが個性的で、陽光に映し出される影まで楽しい
【※作家さん所有の作品です】