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彫刻硝子工房SASAKI
佐々木 元徳(もとのり)-菊池市-

1948年熊本県菊池市生まれ。1988年から会社勤めの傍ら、サンドブラスト(ガラス彫刻)を始める。1992〜2000年は厚手の板ガラスにサンドブラストを施した家具ガラスや器を制作。2001〜2009年くらしの工芸展、熊本県美展、西部工芸展などに入選。熊本県庁本館県民ホールの「大丸窓」(銀杏とりんどう)を制作

 イキイキと水しぶきを上げるカワセミや、はかなくも美しい命を咲かせる花たち。透明なガラスの中に、うっとりと見とれるほどの彫刻が浮び上がってみえる。これが、佐々木元徳さんが手がけるサンドブラストの魅力だ。サンドブラストとは、硬質の砂を圧搾空気で噴き出しててガラス面に当てて削る彫刻技法。通信会社で物品経理の仕事をしていた佐々木さんだが、ある雑誌で掲載されていたサンドブラストのガラス彫刻に心惹かれ、あることを決意。サンドブラストを作る大阪のメーカーまで出向き、経験もないまま巨大な機械を購入してしまったのだ。機械メーカーの指導を受けながら課題をこなし、あとは独学で技術を身につけた。「全国からガラス工芸のパンフレットを取り寄せ、色々と研究しました」。壁や扉にはめ込む板ガラスを手始めに、ある木工所との縁で、テーブルの天板にガラス彫刻を施すように。その後、熊本県伝統工芸館に訪れる人たちのために、肥後六花などを彫刻したグラスなどの小物も作り始めた。

 工程としては、まずガラスの器にテープでマスキングをして覆い、下絵に沿ってカッターで図案を切り抜いていく。立体的に見せるため、手前に見せたい部分(草花だと葉の折れ目や茎など)だけを切り抜いてサンドブラストを施し、奥に見せたい順番に従って同じ作業を繰り返す。すると、表と裏のどちらから見ても図案が浮き上がったように見える。さらにサンドペーパーを軽くかけていくと陰影の境目が際立ち、メリハリが生まれる。

 小さなグラス1つを作るのにサンドブラストだけで1時間。マスキングも含めるとさらに時間を要するが、佐々木さんの作品は意外にもリーズナブルだ。「食器は使ってもらってこそ意味があると思うんです。ですから、ちょっと買える価格で毎日の食卓に並べてもらって、割れたらまた買い足せる。そうやって気軽に楽しんでもらいたいですね」。今後は、食器棚のガラスに彫刻を施すなど、家具とのコラボに取り組んでみたいと語る。



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圧搾機から研磨剤を吸い上げ、高圧ノズルで噴射して、ガラスに砂で研磨する

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マスキングしたグラスの下絵から研磨したい部分だけを切り抜いていく

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アルミの研磨剤。ガラスに噴き付けたとき残った研磨剤は洗って再利用する

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“肥後六花”と呼ばれる、肥後菊、肥後椿、肥後さざんか、肥後花しょうぶ、肥後朝顔、肥後しゃくやくを施した「肥後六花グラス」
【※作家さん所有の作品です】