IMG_2003.JPG【ガラス】
SHIMADA SHINPEI GLASS WORKS
島田 真平(しまだ しんぺい)-熊本市-
1975年熊本市生まれ。1996年に琉球ガラス作家・佐久間正二氏のもとでガラスを始め、1998年富山ガラス造形研究所入学。長崎に拠点を移して活躍後、2007年に帰熊して島田美術館別館で制作を開始。ガラスの次世代展入選、2003年日本クラフト展入選ほか受賞多数。県外での個展も精力的に展開

 オレンジ色の塊が、炎を上げる炉の中でクルクルと回転しながら形を変えていく。作っておいたケーン(ガラス棒)をくるりと巻き付け、熱を加えながらねじりを加えると、みるみる美しい波紋の模様がガラスに描き出された。

「ガラスは触るほど汚れてしまうもの。自然に出来た物のように見せるため、重力や遠心力を利用して作っていくんです。」

 島田美術館館長の息子であることもあり、幼い頃から様々なアートに触れてきた。現在は、制作公開展示やガラス工芸の楽しさを広く伝えるため、教室を開講する。国内外の作家仲間も招待し、ワークショップの開催や技術の交流にも積極的だ。

 吹きガラス作家の島田真平さんがこの道を選んで15年。琉球ガラス作家、佐久間正二氏の下で2年間修行した後、富山ガラス造形研究所に入学。そこで出会ったガラス造形作家ブライアン・パイクから自由で人を惹きつける作風に衝撃を受け、現在のパフォーマンスのような制作スタイルや心得を学んだ。

 島田さんの場合、おおまかなデザインをイメージした後は実際の作業過程でカタチを決めていく、いわば“瞬間のアート”だ。

「ガラスって考えすぎても良い物はできないし、自分のコンディションによっても左右されるので、納得できるものはなかなか出来ません。お客様も僕の作品には新しいことを期待しているので、僕の器は“一期一会”と思ってもらえると嬉しいですね。」

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自作のグローリーホール(作業炉)。1200℃の熱で溶かしながら成形を繰り返す

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作業風景

熱で溶けたガラスをアメ細工のように操る島田さんとアシスタントの矢野さん。言葉にしなくても、あうんの呼吸で作業は進んでいく

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製作の様子

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作品

新作“レインボーフットグラス”。オーバーレイという手法で透明感のあるレインボーの輝きを表現【※作家さん所有の作品です】

 島田さんの場合、おおまかなデザインをイメージした後は実際の作業過程でカタチを決めていく、いわば“瞬間のアート”だ。

「ガラスって考えすぎても良い物はできないし、自分のコンディションによっても左右されるので、納得できるものはなかなか出来ません。お客様も僕の作品には新しいことを期待しているので、僕の器は“一期一会”と思ってもらえると嬉しいですね。」

 すでに様々なことに取り組んでいるが、

「今は手の中に入る美しいものを作りたいと思っています。いつでも作品づくりが出来る環境にいられることが目標。ガラスの作り手たちを育てながら、コミュニティーも広げていきたいですね。」

最後に、ガラス作りは車の運転と似ていると表現した島田さん。

「よそ見すると事故を起こしてしまう。だからこそ、ガラスと対話しながら変わっていく状況を自分の思った方向へ操作していくおもしろさがあるんです。ハマったら最後ですよ(笑)。」

 次世代を担うガラスアート作家として全国的にも期待を集める島田さん。その名を世界で耳にする日も、そう遠くないだろう。



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道具

右から口を整形し、くびれを作るジャック、ガラスのカタチを整える紙りん、ガラス底を中心点で切るためのダイヤモンドシェアなど、どれもガラス専用の工具だ。作業中はガラスから目が離せないため、置き場所はシビアに決められている

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製作の様子