main_1706.JPG【染織】
染工房 明美
高津 明美-熊本市-

1947年熊本県生まれ、兵庫女子短期大学(現・兵庫大学短期大学部)デザイン学科卒
1977年 日展初入選以後、27回入選
1993年 日展特選受賞、日本現代工芸美術展、現代工芸賞
1994年 日展無鑑査
1999年 日本現代工芸美術展、本会員賞
2002年 日展特選受賞
2004年 日展委嘱(~2009年)
2010年 日展審査員
2011年 日展会員
日展会員、現代工芸美術家協会評議員、崇城大学芸術学部非常勤講師、熊本市立必勇館高等学校非常勤講師、RKK学苑講師、NHK熊本文化センター講師



ろうけつ染めの手法を用いて、赤や青の鮮やかな色合いで、大胆に阿蘇を染める
染織家、高津明美さん。高津さんの作品は何と言ってもその鮮やかな色合い、見る人を釘づけにする。

 高津さんがろうけつ染めと出会ったのは学生時代、卒業後も本格的に染色の勉強を続け、染色家の道を歩み始める。2010年には日展審査員という永年の夢を実現させた。

「最初は日展に応募しても落選の連続でした。それでもやめようとは思わなかった。単に染色が好きで作品を作り続けてきたのです。だからこそ、今回審査員になれたことは、大きな喜びでした。」

春夏秋冬の熊本の風景を、何百枚、何千枚の白い布に染め上げてきた。
時間を見つけては自らを自然の中に置き、スケッチにいそしむ。そのイメージをそのまま白い布地に大胆に配色していくのだ。

「幼いころ美術教員だった父に連れられ、阿蘇へスケッチによく行きました。阿蘇の風景には、特別な思い入れがあるのです。その時々に見る雲の流れや風の動き、草花のかわいらしさなど、時間や季節で刻々と変わっていく阿蘇の魅力を伝えたいですね。」

スケッチをもとに下絵を描き、白い絹の布地に薄い色から順に何度も刷毛で色を重ねていく。色を重ねない部分には防染剤としてろうを置くと、その部分だけが染まらずに残る。色が定着してから、薬剤やお湯を使ってろうを取り除くとほぼ完成である。

そうして生み出された作品たちは、赤や青、緑などそして何よりも絹地そのものの白が生き生きとしている。

真っ赤に夕陽に染まる阿蘇の峰々、健気に咲く草花、自らが自然に感動したその気持ちをそのままに作品にぶつける姿勢、だからこそ高津さんの作品は見る人にも感動を与えるのだ。

最近では、バラの染料で染めるなど、やわらかな色の変化を楽しめる作品作りや、熊本の伝説の染物「天草更紗」復興を目指し、現在も染色の勉強を怠らない高津さん。深い郷土愛に根差した制作意欲に新たな作品の期待も高まるばかりである


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▼道具

ロウを溶かす専用のヒーターとロウを塗るときに使う筆

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生地に溶かしたロウを置いた部分だけ染まらずに残る

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代表的な屏風の作品の他にも、スカーフやTシャツ、日傘など、女性が身につけたくなるものばかり。【※作家さん所有の作品です】