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【イ草】
イ草縄工房 井上産業
井上 昭光(いのうえ あきみつ) -八代市-
1947年八代市生まれ。
井上勇、百合子(初代)の後を継ぎ、3代目の息子・井上謙次郎ともに八代産イ草を使った細縄(ほそなわ)製造に取り組む。「縄練り機」を独自に開発。「いやしマット」が熊本県物産振興協会優良新商品銀賞を受賞

 ライバルはペルシャ絨毯…。イ草の編み師として、独自に開発した縄練り機でイ草縄製品を次々に開発しているイ草縄工房 井上産業の2代目・井上昭光さん。現在は母・百合子さん、息子謙次郎さんとともにイ草を編み、縄を撚(よ)る。

 主な作品は、ねこぶく(猫伏)、円座、枕、寝ゴザなどあるが、特にのれんは九州新幹線つばめに採用され、ひところ話題に。また、年間を通じて使ってもらいたいと考え出した「いやしマット」は、熊本県物産振興協会の優良新商品で銀賞を受賞。明治神宮にも奉納された。

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イ草の細縄で編んだ草履、正座用の腰掛け【※作家さん所有の作品です】

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▼材料

両端を切りそろえたイ草を機械に入れ、よりながら縄にしていく。細くなるほど手間もかかる

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独自に開発した機械で縄練り機。3本ほどのイ草をよった後、さらに2本よりにして強度を高める


 もともとは両親が農業の傍ら、竹細工や縄を作っていたことから、生産高で日本一を誇る八代産イ草を使った縄を作ることに。

「最初はワラで作っていましたが、イ草のほうが細い縄を作れます。最初は門松作りの職人や造園業が取引先でしたが、一般家庭で使ってもらえる物を作るようになりました。」

ときっかけを語る。

 地元八代産のイ草の中でも、良質なイ草を作ると評判の農家から納得したものを使用。バスマットなど、ちょっとした“あたり”が欲しいときは通常の畳に用いられる泥染(どろぞめ)のイ草を、肌あたりを柔らかくしたいときは無染土(むせんど)のイ草を使い分ける。

「のれんにも無染土(むせんど)のイ草を使いますが、日に焼けると良い飴色になるんですよ。」

 井上さんは全国のデパートで開かれる物産展に積極的に出展しては、消費者の声を直接聞いて来た。

「お客様の“こんな物が欲しい”というご要望が、新商品づくりのヒントになります。だいたい、年に1つのペースで新作が生まれていますね。」

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▼写真左 母・百合子さん ▼写真右 息子・謙次郎さん

 独自開発した縄練り機を操作するのは、85歳を超えて今なお現役の母・百合子さんと息子・謙次郎さん。昭光さんは営業担当として、全国の消費者から届いた声を商品にしていきたいと熱く語った。