熊本の工芸品

刀剣 製造工程

原材料.gif:砂鉄(砂鉄卸・玉鋼・銑)、古和鉄

1.積み沸し(つみわかし)の準備
 (1)玉鋼(たまはがね)を打ち砕き、分子のそろったものを選び分ける。
 (2)てこの上に、すきまのないように積み並べる。
 (3)積み上がった玉鋼を、和紙ですっぽり包みかぶせる。
 (4)これに泥水をかけて、あく(ワラ灰)を付ける。

2.積み沸かし
 1の手順でまとめたものを火床の中心(羽口の付近)に入れ、静かにふいごを吹き約30分ほど時間をかけてゆっくり沸かす。

3.折り返し鍛錬(横たがね入れ)
 一振り(二尺三寸~五寸=69cm~75cm)の刀を作るには、全部で約9kgもの玉鋼等の鉄を使います。これらを別々に合計20回位の下鍛えをし、それを合わせて、7~8回ないし、10回近くの上げ鍛えをしますが、仕上げの目方は、約800g~1,000g位になってしまうのが新身の場合の基準です。つまり鍛える内に初めの約1割になる。

4.素延べ火づくり
 (1)鍛錬の終わった地鉄を水打ち(鎚に水をつけながら打つこと)すると鉄がしまっていく。
 これを刀の長さにまで細長く打ち延ばすことを「素延べ」という。
 (2)素延べした角材を火床に入れ赤めた鉄を小鎚(ハンマー)だけで、鎬(しのぎ)を立て刃を出す。
 この工程を「火づくり」という。
 (3)刀の姿は自分の頭の中にこれから作ろうとする理想の線があり、それを再現すべく定規などを使わずに小鎚一つでたたき出す。特に練(むね)、鎬(しのぎ)、刃(は)、の三本の線は刀の姿を決定的なものにするので、ここに全神経が集中する。

5.仕上げ(鑛鋤きやすり)
 火づくりから打ちの終わった刀身は万力にはさんで、鑛(あらがね)とやすりを使い棟(むね)を立て帽子刃のむらを取り棟区、刃区をきめ鎬地のむら取りをする。

6.土取り
仕上がった刀身にワラ灰をつけよく洗い、油気を取り、乾かしておいて焼刃土(やきばつち)を塗る。

7.焼き入れ
焼き入れをするには、木炭を鍛錬する時の約3分の1の大きさに割り、火床いっぱいにおこし、刀身を静かに赤める。元幅重ね先幅などむらなく赤める。

8.合い取りと反りなおし
合いを取るということは一種の焼きもどしのことで、火床の上に火から離して刀をかざし、ゆっくり時間をかけて水がはねかえる程度(180~200度)に熱する。こうすることによって刀の腰が強くなり又、刃こぼれなどの予防にもなる。

9.鍛冶研ぎ
刀工が自身の鍛え上げた刀剣を、自身である程度までに研ぐことを「鍛冶研ぎ」という。

10.試し切り
10工程の技術を総合的に判断するための試し切りをする。

11.中心(なかご)仕立て
中心は研ぎくずれる心配もなく、永久に刀工のまま残る部分。

12.銘切り
銘切りのたがねは長さ7cm位の大きさで、割合鈍角の刃を付けた普通自家製のたがね。そのたがねを鎚(つち)で打ちながら銘を切っていく。腕に力を入れず鎚の重さだけで切るようにし、一度切り初めたら一気に切り上げる。

製作現場風景
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