工芸家プロフィール
水俣浮浪雲工房の植物繊維の布づくり ▼
和綿のおはなし ▼
綿から布ができるまで
5.糸紡ぎ ▼
6.綛(かせ)上げ ▼
7.精練 ▼
8.草木染 ▼
以後 機織り以降の工程
インタビュー記事(2010年頃)
11月下旬。庭先に籠いっぱいに収穫されたフワフワとかわいらしい姿の白色や茶色の綿が並びます。「この綿は、一般的な綿製品のものとは違うんですよ」そう語るのは、夫の潤平さんとともに水俣浮浪雲工房を営む金刺宏子さん。現在流通する綿製品の大半が繊維が長くて柔らかい新大陸綿と呼ばれるものですが、宏子さんが栽培しているのは伯州綿と呼ばれる在来種(旧大陸綿・アジア綿)。繊維が太くて短いため機械紡績には不向きですが、吸湿性・速乾性に優れて丈夫なのが特長。かつて日本では各地でこの綿が栽培されていましたが、今ではほとんど栽培されていません。山陰で、機織を習った知人から綿の種を分けてもらい、毎年この種を大切に育てながら30年以上栽培してきました。
大阪出身の宏子さんとが機織と出会ったのは水俣に来てからのこと。大学時代に島根県のワークショップに参加した際、地元の子供たちが薪割りに励んでいる横で何も出来ない自分の不甲斐なさにショックを受けました。「何でもできる手になりたい」。田舎暮らしに憧れ、水俣生活学校で1年間、自給自足の暮らしを経験しました。そこで1年早く水俣での移住生活を始めていた潤平さんと知り合い、紙漉きの工房に参加と同時に機織の魅力に惹かれました。「一昔前の田舎では、畑で作った綿から糸を紡いで機で布を織ることは、畑の野菜で料理をすると同じように日常のことだと聞いて。それなら私にも出来るかなと思ったんです」種を取り(綿繰り)、綿打ちの後に糸を紡ぐ。綿の繊維は1cmにも満たないですが、糸車の錘(つむ)の先で撚(よ)りをかけ、1本の糸となります。







