- 芯になるもみ殻を紙で包み、地糸を紙が見えなくなるまで巻き付ける。
- そこへ模様の区割りを計って基本線をひき、マチ針を打っていく。
- その基本線をもとに、柄ごとに掛糸の色を替えてかがれば、完成。
インタビュー記事(2010年頃:山隈政子 氏)
肥後まりの会代表の山隈政子さんは、肥後まりを作り続けてなんと40年以上。体験教室や作品展に向けた制作などでほぼ毎日まりを作り続けています。作品は観賞用の他にも大きさをアレンジしてストラップやイヤリングなど様々なものがあります。「昭和40年頃、家の近所に熊本国際民藝館(熊本市)が出来たので友人に誘われて遊びに出かけたんです。友人は自分で作った南蛮てまりを持参したのですが、当時の初代館長・外村吉之介(とのむらきちのすけ)さんがこれを応用して“肥後まり”として完成。私も元々編み物などの手仕事が好きでしたから、徐々にのめり込んでいきました」光沢のあるリリアン糸で作る華美な南蛮まりとは異なり、肥後まりは木綿糸の素朴な風合いが特徴です。肥後まりには「麻の葉」「椿」「三角づくし」といった13種類の模様が決められていますが、配色で印象は大きく変わります。1個の肥後まりに使う色は平均4色程度ですが、そうとは思えないほど鮮やか。手に取っていろんな角度から眺めるだけで楽しい気分に。「てまりは、城下町では武家の奥方たちの教養の一つとして伝わったそうで、江戸中期になって一般庶民の玩具として全国各地で作られ始められたようです」「色の組み合わせ次第で、いろんな肥後まりが出来るので完成するまで楽しみで。想像していた以上に良く出来たときは、うれしいですね」。肥後まりをたくさんの人に教えてきたそうですが「皆さん、最初は明るくて鮮やかな色を好まれますが、長く続けると落ち着いた色へと変化していくんですよ」
工芸家プロフィール