樺山五昭 氏インタビュー記事(2010年頃)
あさぎり町にある、樺山鍛冶工場を訪ねた。小さな町の一角に工場と自宅が並んでいる。工場には、父五昭さんが使っている横座と言われる地面を掘ってそこに体を入れて刃物を作る場所と、イタリア留学の経験から西洋のやり方を取り入れている明さんの腰高の金敷(アンビル)が置かれており、そこで刃物の作り方を明さんが丁寧に教えてくれた。現在手掛けているのは、包丁、
熱しては叩き、熱しては叩き、鉄の間に鋼を入れ込みまた叩く。途中ベルトハンマーを使う部分もあるが、割込鍛造などの細かい仕事はおおかたが手作業だ。力もさることながら、夏の暑い日には頭がクラクラするほどのきつい仕事だ。「フルオーダーで注文を受けて作るスタイル。冬はいいが、夏はウナギのかば焼きんごつなるよ、二坪あればできる仕事。金敷、ハンマー、はさみさえあれば鍛冶はできる」鍛冶屋が一人前になるのには8年かかると話す五昭さん、息子明さんも10年を越えた。刃物づくりとともに、鍛造や鉄細工作品も制作している。現代の生活空間に併せた作品作りに励んでいる。