花ござ
熊本県のい草生産は、八代地方を中心に日本一の生産量を誇っています。
その八代地方のい草を原料として、畳表とともに花ござが明治時代から織られてきました。
赤、青、黄色など色鮮やかに染色されたい草を用いて織られている花ござは、吸湿性に優れていて肌触りが良く、敷きござや寝ござとして愛用されているほか、ランチョンマットやコースターなども作られています。
【花ござ】 | |
[清香園]山内 泰人 | |
【い草】 | |
[イ草縄工房 井上産業]井上 昭光 | |
[イ草工房 久保田栄一商店]久保田 栄一 | |
[平住商店]平住 政光 | |
[Yoneo企画]坂井 米夫 |
かずら細工
かずら細工は、山野に自生するかずらを編んだもので、籠やザル等の日用生活用品が作られています。最近は部屋の飾りとして使われるものが多くなりました。
植物繊維であるツタ、かずらを使った籠は、古くは約5000年前の縄文時代前期の貝塚から出土した例があり、古代から籠を編む技術があったことを実証しています。
このかずら細工は、主に背負い籠、腰籠などの生活用具づくりとして、阿蘇地方では江戸時代末頃から昭和20年代頃まで盛んに行われてきたものです。化学繊維を使った籠におされ、山の植林が進むとともに、原材料不足でほとんど作られなくなってきていますが、壁飾り、花入れなど高い人気があります。
【かずら】 | |
山元 きぬよ | |
太田 尚美 |
鮫皮漆塗細工(さめがわうるしぬりざいく)
仏具の漆塗りと刀装の技術をもとに、サメやエイの皮に漆を塗り重ね、研ぎ出して模様を表した装身具です。
家業である仏具店で、仏具の漆塗りに従事していた深水基氏が、古くから伝わる鮫皮刀装の技術を用いてペンダント・ブローチなど鮫皮細工のアクセサリーを昭和40年代に作り始め、現在にいたっています。
【鮫皮漆塗細工】 | |
深水 基 |
漆工
【漆工】 | |
橋口 さつき | |
戸田 友行 |
屋根飾瓦細工(やねかざりかわらざいく)
宇城市小川地区で産出する良質の瓦粘土をヘラで形を整え、乾燥した後、磨き焼き上げます。鬼瓦、置物として利用されています。
古寺の瓦を葺き替える時、鬼瓦の裏に製造年月日がかかれていることがありますが、それによると200〜300年も前の鬼瓦が雨風にさらされながら現在も使用されていることがわかります。
従来、宇土・小川地区では、良質の瓦粘土が産出され、それを利用した生産技術が伝承されています。
熊本に石膏型が入ったのは昭和初期で、近年は多様化、高級化の時代になりつつあり、型の変わったもの、品質、美観ともに良い手作りの品が求められています。また、装飾置物としての需要も多くなっています。
【鬼瓦】 | |
藤本 康祐 |
太鼓(たいこ)
太鼓は、神社仏閣などの祭礼、地方の祭、農村の雨乞いなどに用いられてきました。特に、宇土地方は雨乞いに大太鼓が使われました。
ケヤキの木などを刳り抜いたものに、均等に削った牛の皮を張って作られます。手作業で刳り抜いた太鼓の胴の内側は波型になり、叩いた時に音が共鳴して味わいのある響きがでます。
【太鼓】 | |
堀口 勇 | |
堀口 崇 |
地唄三絃の駒・撥(じうたさんげんのこま・ばち)
地唄三絃の駒・撥は、江戸時代末期から明治にかけて日本一の地唄の名人といわれた長谷幸輝検校の招きによって、初代の橋本嘉八が、明治のはじめに福岡県から宇土に移り住み、名人の芸に接しながら駒と撥の製作技術を開発しました。
駒は、水牛の角に金・銀・鉛を埋め込んで作り、撥は水牛の角や象牙の台に、撥先にべっ甲を使い、演奏者に合わせて形や大きさなどを調整し、工夫を重ねて作られています。
表具(ひょうぐ)・屏風(びょうぶ) ・張子細工(はりこざいく)
表具・屏風
表具は表装とも呼ばれ、書や絵画を掛軸、額、巻物、屏風、襖などに仕立てる伝統技術です。
張子細工
張子の技術は江戸時代に始まります。面や獅子頭など、和紙の重ね貼りに彩色して作られます。 玩具・置物として使われます。
ガラス
吹きガラスの作品やサンドブラストで模様を彫刻した作品など様々な作品が作られています。