平住 政光

【い草】
平住 政光(ひらずみ まさみつ)
平住商店
-宇城市-

 

1941年和歌山県生まれ
10歳のときに熊本へ移り、衣料品店、畳問屋を経て畳工芸作りに移行
くらしの工芸展グランプリほか受賞歴多数
現在手がけているタペストリーやラウンドマットは全国で好評を博している

平住 政光

妻・孝子さんと二人三脚でい草工芸に携わってきた、「平住商店」の平住政光さん。
16歳で父を亡くし、母と共に衣料品店を営みました。和歌山県出身の平住さんは、知人のいる関西方面にトラックで衣類を運んでいた頃ちょうど熊本がい草の生産量で日本一になりつつありました。「関西の知人に頼まれ、畳表もついでに運んでいたら大変喜ばれて。結婚を機に畳表の卸問屋を始めました」。しかし畳の需要が減少し、中国産に押されて八代産い草の需要が激減。物作りが好きだったこともあり、枕や寝ゴザなどのい草工芸へと切り替えました。
平住さんが手がけるい草工芸品は、カラーに染めたい草のグラデーションや配色が美しいものばかり。「季節の移ろいをイメージしながら、配色を変えています。最近は長寿の願いを込めて古希、喜寿、傘寿、白寿などを色で表現した祝いタペストリーが好評です」。他にも昇龍や海から朝日が上がるイメージをしたタペストリーなどバラエティがあり、ゴザにひねりを加えたシルエットが部屋にちょっとしたアクセントを与えてくれます。また、お客さんが名付け親というラウンドマットは10?30pまで揃い、コースターや壁掛けなどアイデア次第でさまざまな使い方ができます。こちらは表と裏で畳目の向きを変えることで強度を増しているのがポイント。
平住さんが使うい草は、もともと農家で規格外として捨てられていたもの。い草のサイズは畳を基準に決められているため、1m以下だと不良品扱いになっていました。「せっかく育てたい草を、それだけの理由で捨ててしまうのはもったいない。小物を作るには十分な長さだし、農家の方に捨てないようお願いして、これを利用することにしたんです」。
使い手に喜んでもらえる実用的なものを考えるのが楽しいと語る平住さん。残りの人生を考え、時機が来たらスッパリと仕事から身を引くことも考えているといいます。国産い草活性化のためにも、その日が来るまでの間は絶え間ないアイデアを発揮して、多くの人を喜ばせてもらいたいです。