坂本 史朗

【ガラス】
坂本 史朗(さかもと しろう)
肥後瑠璃工房
-宇城市-

 

1971年熊本県宇城市松橋町生まれ
1995年豊平ガラス工場(北海道)入社
ガラス技術を習得したのち、2002年に独立して「肥後瑠璃工房」を開く
2008・2009年くらしの工芸展連続入選

坂本 史朗

「目指しているのは、眺めるよりも使ってもらえるガラス。普段使いの器を作っています」。生まれ育った熊本県宇城市松橋町に「肥後瑠璃工房」を構えるガラス工芸家の坂本史朗さん。貝殻のような三つ脚のデザート皿や、透明の器で色ガラスが螺旋(らせん)を描く皿など、曇りのない透明感を通して坂本さんの人となりがうかがえます。
幼いころから木工などの手作業が好きでした。モノづくりの世界で独立を目指し、複数の人から勧められ、北海道にある日用品の生産を広く手がけるガラス工場で修行。吹きガラスの技術をマスターしました。作品を作る際には毎回テーマを決め、特に取り組んでいるのが再生ガラスです。シャンパンやワインの空き瓶を使った器やランプシェードは、独特の厚みがあってレトロモダンな味わい深さを見せます。「アイデアに行き詰まるのはしょっちゅう(笑)。いつもガラスのことを考えていて、ある瞬間にアイデアが繋がります」
ガラスを溶かす窯は、一度火をつけると1000?1100℃の火を半年近く燃やし続けるといいます。ガラスを溶かすための坩堝(るつぼ)が温度差で割れるのを防ぐためです。その間、休みなくガラス制作に没頭。作業中の窯の中は1300℃にまで上昇します。
溶かしたガラスを棹先に巻き取り空気を吹き込みます。吹きガラスでは空気を均等に吹き込まないと厚さにムラができてしまいます。繊細で透明感のある材質だけに途中でやり直しが許されない、瞬間の技です。
「作業をしていると不思議と心が落ち着く。生活の一部になっています」