隈部 寛

【手打刃物】
[隈部刃物製作所]
隈部 寛(くまべ ひろし)
(鍛冶屋名 寛助(かんすけ))
-下益城郡美里町-

 

1921(大正10)年、初代・隈部直氏が刀鍛冶を開始
その後、日常の手打刃物製造へと移行。1949年には宮家へ鍬(くわ)や包丁を献上し、菊一文字の御紋を賜る
2代目・助直氏の後を継ぐ3代目の寛氏は1957年熊本県下益城郡美里町(旧・中央町)生まれ

隈部寛

「隈部刃物製作所」の歴史は刀鍛冶から始まりました。初代・直さんは全国的に知られるほどの名匠。天皇家へ鍬や包丁を献上し、菊一文字の御紋を賜ったほどです。現在3代目を継ぐ隈部寛さんは19歳からこの道を歩み始めました。「仕事らしい仕事が出来るようなったのは15年ほど経ってから。奥深い仕事です」。
主に作っているのは包丁・鎌・鍬。機械用の刃といった特殊なものから現在では製造されていない昔の道具まで、依頼があれば制作に応じています。「依頼してくださる方を見れば、適した刃の重さや大きさ、厚みの見当が一目でつきます。年齢や性別、体型によって使いやすさは違いますから。」
「安土桃山時代から鍛造技術が受け継がれ、その技術が凝縮したものが本来の鍛造。しかし量産体制や製造方法の簡略化のために、その作り方が変わりつつあります。本来の鍛造方法とは違う包丁でも、何も知らない人はその包丁を使って“切れ味はこの程度か”と思ってしまう。恐ろしいことです。」
隈部さんの刃物は火入れに炭を使った、昔ながらの割込鍛造。毎日使い続ける包丁でも25年近く持つとのこと。使った人は、「ハズレがない」と口を揃えます。
「持ちが良いので、買い替えされない今の世の中には合わないかも」と冗談まじりに笑っています。