前野 智博

【小代焼】
前野 智博(まえの ともひろ)
ちひろ窯(ちひろがま)
-荒尾市-

 

1960年生まれ
小代焼瑞穂窯、沖縄県の読谷村で修行の後、1998年に小代本谷 ちひろ窯を開窯
2003年小代焼窯元の会会員
2006年経済産業大臣指定伝統工芸士(小代焼)認定
公募展の入選・入賞をはじめ展示会などで活躍

前野 智博

1998年にちひろ窯を開窯。2003年から荒尾市川登に移転し、作陶を続けて来た前野智博さん。
会社勤めを辞めて28歳からこの道に入りました。
「モノ作りをしたいと考えていたとき、焼物を修行している方と縁があって」
小代焼を学んだ後、さらなる技術を習得すべく沖縄県へと飛びました。
「沖縄は中国、韓国、ベトナムなどの文化が入り混じって独特の文化を育んできたところ。焼物の技法が豊富なんです」
焼き物で有名な“やちむんの里”で修行して身に付けた独特の絵柄や風合いは、現在も一部の作品で反映されています。作っているものは小代焼ですが、従来のイメージにあるような深い渋みの器以外にも色や形のバリエーションが豊富です。
「小代焼は地味な色合いの印象があるので、釉薬を白っぽくしたり原土に白土を混ぜたりと明るくして、若い方にも興味を持ってもらえるよう心がけています」
窯のすぐ近くを掘れば作陶に使う土が出て来るという恵まれた環境。
「掘る場所は段々限られてきていますね。釉薬は近所の農家から分けてもらったワラを焼いた灰を使っていて、なんとか自給自足に近い昔ながらの手法が出来ています」
小代焼の代表的な技法といえば、自由奔放な「流し掛け」。下地の生地に釉薬をかけ、さらに上から釉薬を厚く掛けると、計算では出せない複雑な色や自然な流れが描き出されます。
「釉薬を多めに流したいときは火の近くに置くなど窯詰めも工夫していますが、焼きすぎて釉薬が底まで流れ落ちてしまうと使い物にならない。その加減が難しいですね」
使いやすい物を心がけて工夫を重ねているので、何年か前に買ってくれた人が同じ物を…となると、すでに無かったり。
「定番が多いと仕事はラクですが、個人のお客様が相手なので変化があるほうが見る方も楽しいだろうし、気が多いんですよね(笑)」