熊本工芸NEWS
「九州地方のきじ馬・きじ車(ぐるま)製作技術」の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財(国選択無形民俗文化財)」への答申について(2025.1/24)
令和7年(20255年)1月17日教育庁教育総務局文化課観光文化部観光文化政策課
国の文化審議会(会長:島谷 弘幸)は、令和7年(2025年)1月24日(金)に開催される同審議会文化財分科会において、「九州地方のきじ馬・きじ車製作技術」を「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択するよう、文化庁長官に答申を行う予定です。
今回の選択により、県内の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」は13件となります。
1.九州地方のきじ馬・きじ車製作技術の概要
きじ馬・きじ車は、九州の各地で親しまれている伝統的な玩具です。その形式は地域によって異なりますが、いずれも鉈(なた)や斧(よき)などのシンプルな道具を使って製作されます。
かつては、寺社などで開かれる市(いち)で売りに出されることが多く、紐をつけて曳回したり・馬乗りになって遊んだという話が各地に伝わっていることからも、身近な玩具として長年愛されてきたことが伺えます。
なお、今回の選択は、九州地方のきじ馬・きじ車の製作技術全般を対象としており、特定の個人や団体、産地に限定されるものではありません。
2.記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財について
国重要無形民俗文化財以外の無形民俗文化財のうち、特に必要のあるものを、「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として選択し、その保護を図る国の制度。国選択無形民俗文化財とも通称されています。
選択されると、必要に応じて国が記録を作成したり、地方公共団体の行う調査事業や記録作成の事業に国が助成を行います。
3.九州地方の代表的な「きじ馬・きじ車」
3-1.熊本県人吉・球磨の「きじ馬」
熊本県人吉・球磨の「きじ馬」は、桐・ダラ・藤・柏などの雑木を材として作られる熊本県を代表する郷土玩具です。
かつては、旧暦2月に春の市が開かれており、露店で売られてる「きじ馬」を男の子に、「花手箱」を女の子に土産として買って帰ることが習わしとなっていました。
他地域のものと比べると、鞍の造形がなく車輪が二つである点が特徴といえます。
3-2.福岡県みやま市の「きじ車」
福岡県みやま市清水寺の「きじ車」は、伝教大師最澄が、山道で迷ったところ、雉が道案内をしたという伝説が由来となっています。
現在の「きじ車」は、文政年間に、当時の住職が宮大工の井上嘉平次に指導し製作させたものが始まりとされています。主に赤松を材として用い、四つの車輪がつきます。他地域のものとは異なり、雌雄の区別があり造形や色彩も違います。
3-3.大分県玖珠町北山田の「きじ車」
大分県玖珠町北山田の「きじ車」は、庄屋の家に男の子が生まれたとき、そのお祝いの品として考案されたのが始まりと伝えられています。
北山田の「きじ車」は、彩色を施さない素朴な仕上げが特徴です。また、背中の大きな鞍と角度がつけられた首は、他地域のものにはない独特な造形です。日田・玖珠の各地で似た形のきじ車が各所で作られていました。
問合せ先
(国文化審議会の答申について)県文化課
帆足・坂井田・原田(096-333-2707)
(伝統的工芸品について)
県観光文化政策課 高橋・吉村・冨森(096-333-2154)