紙工品/Paper Making

熊本県の紙工品とは?
現在、熊本市で活動されているき和紙の工芸家はみなまたで製作をされています。
熊本県の和紙を用いた工芸品としては、和紙と竹を用いて柿渋を塗って仕上げる山鹿市たみたみしぶうちわ、和紙と糊だけで立体的な作品を作るやま鹿とうろう、屏風、表具などがあります。

 

熊本県の製紙の歴史について
熊本の製紙は中世に始まり、江戸時代に藩の殖産政策もあって発展し、明治から昭和にかけては全国でも上位の紙の産地となっていました。紙漉き場は八代市、菊池市、人吉市、鹿本郡、玉名郡に散在していました。
鹿本地方ではこうぞの生産が盛んで、加藤清正に伴って来た朝鮮の技術者、道慶・慶春などによって和紙製造の技術が伝えられ、生産された和紙は、江戸期から昭和初期にかけて作られていた山鹿傘や、やま鹿とうろうなどの紙工芸の原料として用いられました。現在は和紙の生産は途絶えています。
八代市ではみやで手漉き和紙が作られ、加藤家、細川家の保護を受け、後には八代城主の松井家の御用も務めました。
About Paper Making of Kumamoto ▼Paper manufacturing in Kumamoto developed in the Edo Period thanks to the promotion of new industries by Higo Domain. Mulberry production was prevalent in the area, and washi (Japanese paper) was used to create Yamaga-gasa (umbrellas) and Yamaga-toro (lanterns).

Tesuki-washi, a type of handmade Japanese paper, was made in Yatsushiro under the patronage of the Kato and Hosokawa families. Kumamoto was a leading producer of washi with many manufacturing sites across the prefecture from the Meiji to Showa Periods.
However, with the increasing popularity of western-style paper, washi fell out of use.

Miyaji Tesuki-washi

宮地手漉和紙

Miyaji tesuki-washi, or Miyaji handmade paper, was first made 400 years ago during the Azuchi-Momoyama Period in what is now present-day Yatsushiro City.
To make this paper, mulberry tree bark is soaked in water overnight and then boiled for four hours. It is then beaten with a stick to soften the fibers, and then hibiscus root is added to bind the fibers together.

Page Top / Crafts Introduction / HOME

Handmade Japanese Traditional Art Paper

Kutami Fans

Kutami Fans


Kutami uchiwa are paper fans made in Yamaga City. The method of making these fans was brought to Kumamoto by a traveling priest from Shikoku about 400 years ago. The production of paper fans flourished thanks to the abundance of washi paper and bamboo in the area.
The underlying structure of the fan is made from bamboo, paper is stretched over the bamboo, and persimmon juice is used to shellac the paper. Persimmon juice improves the strength of the paper and is also effective as an insect repellent.

Page Top / Crafts Introduction / HOME

Hyougu・Byoubu

表具・屏風

表具・屏風

Miyaji Tesuki-washiHandmade Japanese Traditional Art PaperKutami FansHyougu・Byoubu

みや/Miyaji Tesuki-washi

みやとは?
みやは、1600年頃に現在の八代市宮地を流れる水無川(中宮川)沿いで柳川藩の御用紙漉き新左衛門が紙漉きを始めたのが始まりです。
こうぞの皮を一晩水につけた後4時間ほど煮て、棒で叩いて繊維を柔らかくしたものを、糊の成分となるトロロアオイの根を加えて紙漉きを行います。
※現在は制作されていません。
製造開始年代 1600年頃
制作の中心地域 八代市宮地
材料 楮の皮、トロロアオイの根など

 

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

みやについて
工芸家紹介(宮地手漉き和紙)

※現在製作されていない工芸家も掲載しています。
宮田寛

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

みやの製作工程

1)原料のこうぞを加工する
原料となるこうぞを刈り取り、蒸して皮をはぎます。皮を乾燥させたこうぞの皮の白い部分を使います。この原料のことをカジと呼びます。
2)しんせき
水溶性の不純物を除去するため、こうぞの皮(カジ)を水につけます(夏6時間、冬18時間)。
この工程をしんせきと呼びます。
3)しゃじゅく
こうぞの皮に含まれる繊維以外の不純物を除去するため、苛性ソーダ(アルカリ液)で煮ます。
この工程をしゃじゅくと呼びます。
4)水洗
しゃじゅくの終わった原材料を不純物が流出するまで水洗します。
5)ひょうはく・精選(塵取り)
未ざらしは、直ちにさらし粉を入れて漂泊し、樽の中で入念にちりほこり・傷痕を取除きます。
6)こうかい
精選した原材料をかいかいし、長刃ビーターでようかいする。
※ビーターに入れる前にカジを5分程棒でたたきます。
7)しょうぞう(紙漉き)
渡槽に原液と糊液(トロロアオイ)を調合し流し漉き法でしょうぞうします。
8)あっさく
漉き終った紙はジャッキで圧搾し、徐々に水分を取ります。
9)かんそう
圧搾を終った紙床から一枚一枚はがして蒸気で乾燥させます。
10)選別
乾燥後、上紙と損紙、厚薄について選別します。
11)包装
企画枚数ごとに束ねて包装します。

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

すき/Miyaji Tesuki-washi

熊本県の手漉和紙
熊本県内では、八代市宮地のみやの他にも鹿本郡芋生村(現山鹿市鹿北町)などで紙漉きが行われていましたが、各地の生産者が廃業ていきました。
現在は、金刺潤平氏が熊本県水俣市で紙漉きを行っています。

 

制作の中心地域 水俣市(現在)
材料 楮の皮等様々な植物、トロロアオイの根など
金刺潤平氏と手漉和紙
1984年、作家 石牟礼道子 氏の勧めで胎児性水俣病患者ら5人と共に紙漉きを始めたのが始まりでした。
紙漉きの技術を学ぶため、高知県紙産業技術センターにて、様々な植物から繊維を取り出す研究を行っていた大川昭典 技術研究員と出会い、紙を漉くというよりは繊維を操る姿に魅せられ、現在も師弟関係の交流を続けています。
また、みやみやひろし氏(熊本県)、八女和紙の松尾茂幸 氏(福岡県)に手ほどきを受け、現在も手漉き和紙の可能性を求め続けています。

 

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

手漉和紙

手漉和紙

手漉和紙について
工芸家紹介(手漉和紙)

金刺潤平 (水俣浮浪雲工房)

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

映像でみる手漉和紙の製作工程
金刺潤平 氏 アーカイブ映像

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

たみうちわ/Kutami Fans

来民うちわとは?
来民うちわは、1本の竹を割ってうちわの骨を作り、和紙を貼った上から柿渋を塗っています。
柿渋は強度を高め、防虫効果があるといわれています。
製造開始年代 1600年頃
制作の中心地域 山鹿市鹿本町来民
材料 和紙、竹など
来民うちわの歴史
来民うちわは約400年前に四国の旅僧から作り方が伝えられたといわれています。この地方は和紙と竹の材料に恵まれていたため、うちわの生産が盛んになりました。

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

来民うちわ

来民うちわ

来民うちわについて
工芸家紹介(来民うちわ)

栗川亮一 ((有)栗川商店)

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

映像でみる来民うちわの製作工程
栗川亮一 氏 アーカイブ映像

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

ひょうびょう/Hyougu・Byoubu

ひょうびょううちわとは?
ひょうひょうそうとも呼ばれ、書や絵画を掛軸、額、巻物、屏風、襖などに仕立てる伝統技術です。

 

ひょうびょうについて
工芸家紹介(ひょうびょう

※現在製作されていない工芸家も掲載しています。
魚返秀喜 (魚返豊州堂)
魚返倫央 (魚返豊州堂)

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

表具・屏風

表具・屏風

ページトップへ / 工芸品紹介一覧 / HOME

その他の紙工品

※現在は製作されていない工芸品もございます。

ちょうちん

ジャンル
紙工品
工芸品名・地域
ちょうちん
(宇土市)
工芸家氏名
志水眞次喜
ちょうちんについて
竹骨に和紙を貼り、紋・文字等を描いて仕上げます。
結婚式と葬式には、じょうちょうちん、消防提灯も注文で製作されていたが、時代の流れで最近は、馬上、消防提灯は、ほとんどなくなりました。
盆用の家紋入り提灯と、祭礼用の奉納提灯のメ縄五幣入りとお客用の提灯を製作されていました。

ページトップへ熊本県の工芸品・工芸家TOPHOME

ライン