熊本県伝統的工芸品の指定制度について

熊本県では、「熊本県伝統的工芸品の指定要項」に基づき熊本県伝統的工芸品を指定しています。

熊本県伝統的工芸品の指定要項(令和5年8月現在)

(目的)
第1条 この要項は、郷土にはぐくまれ受けつがれてきた工芸品を熊本県伝統的工芸品として指定することにより、その従事者等関係者の意欲の高揚を図るとともに、利用者等に手づくり工芸品に対する正しい認識を与え、これが維持発展を図り、もって県民の生活に豊かさと潤いをもたらすことを目的とする。
(定義)
第2条 この要項において、伝統的工芸品とは、次の各号に該当する工芸品とする。
  • (1)主として、日常生活の用に供されるもの
  • (2)製造過程の主要部分が手工業的であるもの
  • (3)伝統的な技術・技法により製造されるもの
  • (4)伝統的に使用してきた原材料を主たる原材料とし制作されるもの
  • (5)おおむね30年以上の歴史を有するもの
  • (指定)
    第3条 知事は、熊本県内の伝統的工芸品を熊本県伝統的工芸品として指定しようとするときは、別に定める市町村長の推薦書に基づき、熊本県伝統工芸振興会議(以下「振興会議」という。)の意見を聞いて、総合的に判断し、妥当と認められるものを、熊本県伝統的工芸品(以下「県伝工品」という。)として指定するものとする。
    2 県伝工品の指定は、次の指定事項を定めて行うものとする。
    (1)伝統的工芸品の名称
    (2)伝統的工芸品を制作する者を構成員とする組合その他の団体(以下「組合等」という。)の名称。ただし、組合等に属していない場合は、個人又は法人の名称。なお、必要な場合は、その製造所の名称又は屋号若しくは商号を付けることができるものとする。
    3 前項第2号の個人は、次の各号に掲げる要件に該当していなければならないこととする。
    (1)当該伝統的工芸品の制作の実務経験年数が概ね12年以上あり、かつ、現在もその制作に直接従事していること。
    (2)当該伝統的工芸品の制作に関する高度の伝統的技術又は技法を有していること。
    4 知事は、第2項の指定に当たって、必要な条件を付けることができるものとする。
    (指定書の交付等)
    第4条 知事は、前条の規定に基づき県伝工品の指定をしたときは、推薦をした市町村長等にその旨を通知するとともに、前条第2項第2号において名称を定めた組合等、個人及び法人(以下「事業者」という。)に対し別に定める指定書を交付するものとする。
    2 知事は、県伝工品を決定したときは、これを公表するものとする。
    (指定の表示)
    第5条 事業者は、当該製品の容器包装等に別に定める指定マークを付けて販売することができるものとする。
    2 何人もこの要項に基づく県伝工品の指定を受けていないものについて、前項の指定マーク又はこれに類するものを用いてはならない。
    (届出)
    第6条 事業者又は関係市町村長(以下「事業者等」という。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、知事にその旨を直ちに届け出なければならない。
  • (1)第4条に規定する指定書の内容に変更を生じたとき
  • (2)その事業を廃止しようとするとき、又は廃止したとき
  • (3)事業者が死亡し又は解散したとき
  • (報告)
    第7条 知事は、必要があると認めるときは、事業者等に報告を求め、又は、当該職員をして調査させることができるものとする。
    (是正の指示)
    第8条 知事は、事業者等に対し必要のあると認めるときは、必要な指示をすることができるものとする。
    (指定内容の変更等に伴う指定取消)
    第9条 知事は、県伝工品が次の各号のいずれかに該当するときは、振興会議の意見を聞いて、総合的に判断し、その指定を取り消すことができるものとする。
  • (1)第2条の県伝工品の要件を欠き、又は第3条第2項の指定書の内容に変更を生じ若しくは指定書の条件に反するため、県伝工品として妥当でないと認められるとき
  • (2)その事業を廃止したとき
  • (3)第8条に基づく知事の指示に従わないとき
  • (死亡・解散に伴う指定取消)
    第10条 知事は、事業者が死亡し又は解散したときは、第6条の規定による届出に基づき取り消すものとする。
    (指定書の返還等)
    第11条 知事は、第9条及び前条の規定に基づき指定を取り消したときは、その旨を事業者等に通知するとともに公表するものとする。
    2 事業者は、第9条及び前条の規定により指定を取り消されたときは、先に交付された指定書を知事に返還しなければならない。
    (雑則)
    第12条 この要項に定めるほか、必要な事項は、別に定める。
    附 則
  • この要項は、昭和53年2月1日から施行する。
  • この要項は、昭和61年2月10日から施行する。
  • この要項は、昭和61年7月1日から施行する。
  • この要項は、平成21年12月17日から施行する。
  • この要項は、平成27年3月16日から施行する。
  • 熊本県伝統的工芸品の指定要項についての取扱い
  • 平成27年3月16日一部改正
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    第2条(定義)
    第1号 「主として、日常生活の用に供されるもの」
    この場合の日常生活の範囲はかなり広く、例えば冠婚葬祭や節句のように一生に、あるいは年に数回の行事でも、地域住民の生活に密着し、一般家庭において供される場合は「日常生活の用に供されるもの」として考える。又、石灯籠・人形・置物等も家庭にあって、安らぎと潤

    いをもたらすことから、やはり本県伝統的工芸品に含まれる。

    第2号 「製造過程の主要部分が手工業的であるもの」
    伝統的工芸品の持ち味と手工業性は切り離せない関係であり、主な工程が手工業で行われるものであることが要件である。従って、例えば伝統的技術を生かしたとしても、主な工程を機械により製造したものは、伝統的工芸品とはいえない。
    第3号 「伝統的な技術・技法により製造されるもの」
  • (1)5号に規定する「おおむね30年以上」前の技術や技法が受けつがれている間に改善発展があったとしても、製品の特質を変えるまでに至らなければ伝統的なものとして取り扱う。
  • (2)この場合、技術・技法については、かなりの研さんを経なければ修得できない程度の技術・技法により製造されるものをいう。
  • 第4号 「伝統的に使用してきた原材料を主たる原材料とし制作されるもの」
  • (1)技術・技法と同じように原材料も製品の持ち味に大きく関係し、ここでいう「伝統的」も前述した30年以上の歴史を意味している。
  • (2)主な原材料は現在既になくなったもの、入手しにくい材料もあるので、このような場合は、持ち味を変えない範囲で例外として一部他の材料の使用を認める。
  • 第5号 「おおむね30年以上の歴史を有するもの」
  • (1)「30年以上」の30年とは、製作された期間が継続して30年という意味である。
  • (2)この場合の「30年以上」の起算年は、指定に係る推薦があった年とする。
  • 第3条(指定)
    第3項第1号 「当該伝統的工芸品の制作の実務経験年数が概ね12年以上あり・・・」
    (1)「12年」の期間には、当該工芸品制作に関する専門養成機関等における技術・技法の習得期間を含むものとする。
    熊本県知事は、熊本県伝統工芸振興会議の意見を聴取し、以上の要件全てを備えた工芸品について、「熊本県伝統的工芸品」に指定する。