工芸家プロフィール
インタビュー記事(2010年頃)
水俣市の山中、フリースクール跡地。ここを工房兼住まいにした「
親方衆による後押しもあり、高知県で本格的に和紙漉法を習得。繊維化するのは不可能と思っていた竹も、石灰水に長期間寝かせて化学発酵させることで、硬い成分のリグニンを溶かせると分かったそうです。熊本を代表する農産物・い草に関しては、生産量の半分が規格外として処分されることを知り、素材の利点を生かせないかと研究。高い吸湿性をもつ芯を混ぜた高機能和紙壁紙素材を開発し、第2回『ものづくり日本大賞』優秀賞を受賞しました。海外から誘いも多く、ドイツやマレーシア・ウズベキスタンなど数えきれないほどの国々で紙漉きの技術を教えてきました。燃料には薪を使い、漂白剤のかわりに天日乾燥による紫外線で自然漂白。「指先や嗅覚にも感覚障害をもった彼ら(胎児性水俣病患者)との出会いがなければ、ここまでこだわらなかったかもしれません。時間が経って色落ちしたっていい。それが自然の姿なのだから。最後まで、天然にこだわっていきたいんです。」と金刺さん。