工芸家プロフィール
栗 川 商 店 について
インタビュー記事(2010年頃)
県北の山鹿市東部・鹿本町
表面を柿渋で塗った来民渋うちわは、純粋に柿渋だけを引いた薄茶色で「白渋」と表現されます。和紙の張り方は、骨全体に和紙を張って骨を隠した「元張り」。原料は、阿蘇外輪山の山林に繁茂する7寸以上の真竹、手漉きの和紙に生麩糊、仕上げは柿渋・ワニス・漆・染料と、いずれも昔ながらのものです。工程は、竹を細かく割いて扇状に開き、柄を塗ったり染めたりした後、割いた竹を糸で編み付けて固定。これに和紙を張って干し、うちわの形にカットして柿渋で仕上げます。渋うちわは柿渋を塗ることで和紙をコーティングし、柿渋に含まれるタンニンが防虫効果を発揮し、100年でも使える丈夫なうちわになります。年月を重ねることによって、渋うちわの色合いは風格を帯びていきます。