工芸家プロフィール
インタビュー記事(2010年頃)
「ウォン ウォ ウォー ウォウ こんな月の夜は、こうやって ときどき 吠えるのもいいもんだ」心のメッセージを記した皿や、本物そっくりな蓮根に豆のオブジェ、牛柄のマグカップ…。
1992年の独立以来、その作風は年々変化。磁器とは思えないマットな質感は、天草陶石から脱鉄した際に不要となった鉄分の塊を砕き、粘土に塗って焼締めたのが始まり。その後、地元で採れる天草陶石を用いて、象牙を模したオブジェなどの大作にも挑戦してきました。数ある動物の作品の中でも、犬をモチーフにした作品には特別な思いが込められています。「数年前、熊本県では犬の殺処分件数が全国の上位を占めていたことを聞いて、アートの力で何か出来ないかと思って」共感したアーティストたちが集まり、グループ展を開催。鎮魂の想いを込めたブルーの犬のオブジェなど、作品を通じて失われた生命の声を代弁しています。焼き物以外にも、ギターを片手にハスキーな声で聞く人を魅了するミュージシャンとしての顔をもつ許斐さん。決まった枠に収まりきれないオリジナリティの進化に、今後も目が離せません。