インタビュー記事(2010年頃)
白を基調にしたワラ灰釉と、
ガス窯を使い、月1回というハイペースで窯を焼き続けてきた。「僕は24時間営業ですから、寝るなんて贅沢なことはしません」と冗談まじりに笑うが、人並み以上の努力を重ねた結果、公募展での連続入賞へと繋がったことは言うまでもないサラリーマン時代はフルタイムで働き、その前後に同じだけの時間を焼物のために費やしてきた。「あるときは毎日図書館へ通い、新旧の焼物について調べました。そして分かったことといえば、結局デザインとは誰かがどこかで既に完成させたものの繰り返しだということ。Simple is the best(シンプル・イズ・ザ・ベスト)なのだと感じました」少し前に血管系の病気で体調を崩し、2年間は治療に専念。現在は復帰して、再び作陶に励んでいる。「心がけているのは、口当たりの良さ。小鉢や湯のみなど、日本人が使う器は口を付けるものが多いんですよ。茶道具ではそれを“甘い”と表現します。飲みやすく、使いやすく、洗いやすい。ピカピカのきらびやかさよりも、しっとりとした美しさ。使って豊かな気持ちになっていただける作品を目指したいですね」