インタビュー記事(2010年頃)
車1台がようやく通る幅の砂利道をひたすら進むと、陶芸家・渡辺ヒデカズさんの「
渡辺さんは作品制作に使う道具も作り方もユニーク。ロクロも使いますが、例えば平たくした粘土にヘラで渦模様を描き、丸い型の上にひっくり返して生地を乗せます。すると、コロンとしたユニークな形状の器ができます。また、陶画に描かれた宇宙の星屑模様の正体はなんとタバコの灰を紙に落として焼いた跡。下絵などは起こさず、型紙を自在に組み合わせていくと一枚の幻想的な宇宙が生まれます。「つい、売れない物を作ってしまうんですよ、最近の一般家庭では、スペースの問題もあって食器棚に重ねて収納しやすい器が人気ですよね。でも、世間の傾向ばかり考えていると表現が限られてしまうし、それを得意とする人たちがたくさんいますから。使いやすさばかりを杓子定規に考えず、作りながら僕自分も楽しくなる作品を作っていくつもりです」