インタビュー記事(2010年頃)
自然豊かな西原村の山あいにひっそりと佇む三六窯。自宅と工房のほとんどを自分で造ったという窯元の大浦清さんは、いつもニコニコと仙人のように飄々としています。作品も大浦さんの人格がそのまま現れていて、どこか古代の土器思わせるような独創的なものばかりです。主に唐津系の土を使い、赤土と白土をそれぞれ用途に応じて使います。赤土には荒土を混ぜたり、逆に細かい土を練りこんだり、白土系の粘土を混ぜ込んで色の調整をしたりと、さまざまなアレンジをしています。また、自分で土を採ってきてそのまま使ったり、山から掘ってきた土を未精製のまま購入してそのまま使ったりと、土の精製方法も独特です。特に人気なのは、土鍋など火にかけられる器。
これらは、ペタライトという長石が40%ほど入った土をベースに少し大浦さん風にアレンジして作ります。粗めの土を混ぜたり、耐火強度の強い土を混ぜたりも。釉薬は全てオリジナルです。地元の草木を種類ごとに採集し焼いて灰にし、それから長石・カオリン・わら灰などをある比率で混ぜて調整して作ります。その他にも鉄分の多い土や石を細かく砕いて鉄絵にしたり、塗り土にしたり、あめ釉などにしたりと技法は多岐にわたります。「自然が相手なので材料が安定して取れるとは限らないのでそのとき限りの色になることが多いです。これからもそのとき取れる材料で楽しんで行こうと思っています。」と、あくまで自然な大浦さんです。