インタビュー記事(2010年頃)
まるで永い時を経たキャンバス画のように、セピアがかった印象的な器。犬童さんの作品は
そもそも犬童さんが作陶の道へ進んだのは25歳のころ。熊本大学を中退して上京、好きだった美術館巡りをするうちに焼き物への関心が高まっていきました。石川県で活躍していた陶芸家のもとで4年間修行して帰郷し、独立。当初から天目釉の作品を作っていましたが、当時は従来からある天目釉の一種でした。
「たまたま試したやり方がおもしろい変化を起こし、それに新しい技法を加えながら今日まできました」天目釉で焼いた表面に糸を張ってワラ灰釉をかけて糸目に天目釉の黒を残す「天目線文」や、天目釉に白と藍色の釉薬をかけた「天目地二彩縞文」など、独自の文様を追究してきた犬童さん。「新しい釉薬やカタチなど、これからも新しいものに挑戦していきたいですね。」と、手間を惜しみません。