ジャンル
とう

ライン

工房名・地域
ゆうがま
(人吉市)
氏名
れっこう
本名(やすよし

ライン

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工芸家プロフィール

1952年
熊本県人吉市出生。
1978年
大阪芸術大学卒業。
1983年
日本工芸会正会員認定。
2010年
雅号を「烈工」(REKKOU)、 屋号の鳥ヶ丘窯を改築窯名の「悠斗窯」とする。

賞暦・展示会等(1980年〜2020年) ▼

1980年
第27回 日本伝統工芸展 初出品入選 県美展 35 周年記念賞。
1981年
熊日総合美術展 熊本県賞。
1982年
九州・山口陶磁展 第 1 位・文部大臣奨励賞 佐賀県立九州陶磁文化館収蔵。
1984年
熊本県美術家連盟展 平山賞 県立美術館収蔵。
1985年
西部工芸展 20周年記念 正会員特別賞。
1990年
九州・山口陶磁展 第 1 位・文部大臣奨励賞 佐賀県立九州陶磁文化館収蔵。
1995年
ロックフェラー奨学基金オークション展 出展。
1998年
熊本県立美術館友の会賞 県立美術館収蔵。
2001年
日本陶芸展 優秀作品賞毎日新聞社賞 県立美術館収蔵。
2002年
くまもと県民文化賞 特別賞、熊本県文化懇話会賞。
2005年
日本陶芸展 招待出品。
2008年
西部伝統工芸展 朝日新聞社大賞。
2009年
「工芸のいま伝統と創造」 九州国立博物館出展。
2011年
第46回 西部伝統工芸展 日本工芸会西部支部長賞。
2012年
日本料理「弁慶」懐石と器 ホテル日航熊本 開業10周年記念展。
2014年
第61回 日本伝統工芸展入選 ( 計 31回 )。
2015年
第23回 日本陶芸展 入選 ( 計 11回 )、悠斗窯「熊本県伝統的工芸品」指定される、 熊本県立美術館や佐賀県立九州陶磁文化館に作品が収蔵
2017年
「熊本の現代陶芸」肥後の里山ギャラリー招待出品。
2019年
令和元年地域文化功労者 文部科学大臣表彰。
2020年
第67回日本伝統工芸展入選 ( 計36回 )。

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インタビュー記事(2010年頃、2020年頃追記・変更)

白磁とは、こんなに美しいものか。日常でも磁器を目にし使う機会も多いですが、久保田烈工さんが突き詰めて来た白磁にはこの上ない気品が漂います。
材料は、磁器づくりには一般的な天草陶石。しかし、その肌合いは生まれたての赤ちゃんのようにやわらかく見えます。
陶器が焼成や釉薬の変化による“偶然の美”と表現するなら、磁器は釉薬の調合や生地の厚さを緻密に組み立てて生まれる“必然性の美”といえます。「透明釉に微量の鉄分を混ぜて彫刻を施した素焼きの器に掛けると、彫りに残った釉薬がほんのり青く発色します。この濃淡によって、無機質な白に表情が生まれます。硬い磁器をどう柔らかく表現するかを考えています」
高校卒業後、大阪市役所で公務員として4年間勤めた烈工さん。当時は焼き物ブームの前兆期で、あちらこちらで開かれる作品展へと足を運ぶうち、近代的な焼物の世界に魅了されました。「公務員を辞め、焼物を学ぶために大学へ進学。卒業制作で磁器のおもしろさを知りました」
以来、“磁器一筋”。地元・人吉に戻り、すぐに開窯しました。
作陶33年を迎えた2010年、雅号と屋号を改めました。雅号の『れっこう』には「強い信念をもち、勢いある作品を世に送るたくみでありたい」との決意を。屋号には「広々とした場所で磁器に悠久の時間をかけていきたい」との願いを込めて『鳥ヶ丘窯』から『ゆうがま』へと改めました。
1996年に移転した人吉市矢黒町の工房周辺には、悠々とした森林が広がり創作活動にもってこいの場所です。

完璧さを求めるゆえに制限の多い磁器制作ですが、とくに乾燥とじょれいには気を使います。乾燥を急げば亀裂してしまうため、日陰で均一に水分を抜いていきます。
また、焼成後は火を切ってから約1週間後に窯出し。急激な温度変化で破損するのを防ぐためです。
艶消しの白磁にも取り組み、「同じ白でも釉薬の調合によってさまざまな表現ができます。レリーフした器とあわせて、人肌のように繊細な雰囲気を表現したいですね」
白磁で名を馳せた父の背中を見て育ち、自らも同じ道を選んだ長男・まささん。大学時代は油絵を学びましたが、これも「家では勉強出来ないことを学び、焼物制作の糧にしたかった」という覚悟から。その頭角は早くも現れ、作陶4年目にして酒器コンテストの最優秀賞を勝ち取りました。
「つい父の作品を追ってしまおうとしますが、自分のオリジナルを心がけたいですね。陶器好きな方にも手にとってもらえるような“崩した”磁器にも挑戦してみたいです」
父から見た真土さんは“ていねいさ”が長所だと言います。息子を語る烈工さんは、一人の父として柔和な表情へと変わっていきました。

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