インタビュー記事(2010年頃)
肥後象がんといえば装身具が主流の今、米野純夫さんは肥後象がんの原点ともいえる刀
明治9年に発せられた廃刀令以降、装飾品へと移行していった歴史をもつ肥後象がん。「そういう物は消耗品ですが、本当に良い作品は100年経っても大切にされて残るもの。後輩たちにはそうした作品を残してもらいたいですね」そうした思いで取り組む米野さんもまた、刀鐔も1枚作るのに半年がかりだという。 「今は次々に商品化しないと商売が成り立たないところもあるので、時間をかけて良い作品を作ることが難しい時代になりました。良い仕事をするほど手間もかかって数が出来ない。高給取りにはなれないのが難しいところです」「若手工芸家の皆さんには良い作品をたくさん見てほしい。見る目が腕を引っ張るんです。買い手の皆さんには作品の良し悪しを見比べて、良い作品を手に入れていただきたいですね」